津野町には、昔から町民に親しまれてきた、「片岡直輝(なおてる)・直温(なおはる)生家」がある。
今回は、津野町から日本の政財界に名を残した「片岡兄弟」と、その生家をご紹介。
「片岡直輝・直温生家」は、津野町役場本庁舎のすぐ裏にある。
敷地内にある美しい日本庭園には、四季折々の花々と池を泳ぐ鯉を鑑賞することができる。
玄関を入ってすぐの部屋には、片岡兄弟の像。
兄の直輝(左)は、明治の実業界を牽引した関西財界の重鎮であり、大阪ガスを設立。
弟の直温(右)は、日本生命の経営など多くの企業で業績を残し、大臣にまで上り詰めた。
屋敷内では、この地で育った片岡兄弟の思い出や業績、ゆかりのある貴重な品が展示されている。
この生家は江戸中期(1700年頃)に構えた片岡家の屋敷。坂本龍馬らと共に土佐勤王党で日本のために奔走した父・孫五郎の亡き後、母・信子が貧しい家計の中、1人で懸命に直輝・直温を支えた。
そんな母の隣で勉強をし続けた直輝・直温は、政財界で活躍していき、大正5年(1916年)に母の願いであった生家を改修。
家族で過ごした江戸時代の間取りはそのままに改修をしている。
奥にある母・信子の部屋では、映像を通して片岡兄弟のことを知ることができ、津野町の魅力にも触れられる。
生家は数奇屋(すきや)風建築の日本家屋。日当たりの良い縁側から日本庭園を見渡すことができ、気持ちのいい風が吹き抜ける造り。中央の池に架けられた石造りの橋は、現在の技術では再現不能な職人技が光る。決して豪華な造りではないが、侘びを感じる雰囲気に片岡家が大切にしてきた当時の面影を感じる。
「江戸時代から続く生家が残っているのはとても幸運なことでもあります。ここに来れば当時の風情や歴史が感じられますよ!」と津野町の学芸員である田中さん。
開館中は地元の方々が常駐しており、津野町のお茶を提供してくれる。
敷地内の池に泳ぐ鯉はなんと50匹以上。
色彩鮮やかな鯉たちが日本庭園の池を彩る。訪れた際は、ぜひ鯉にも注目してみてほしい。
この「片岡直輝・直温生家」は津野町PRカー「ツノトゥク」の周遊コースになることも!
津野町の誇る偉人・片岡兄弟を知るだけでなく、風情のある日本家屋で歴史を体感してみてはいかがだろうか。
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