さぁ、さぁ、さぁ! 今年もやってきました!お祭りをすれば大行列、某居酒屋の店主は「飲み物」と話す「メジカの新子」の季節到来!
※メジカ=ソウダガツオ、新子=生後1年未満の幼魚
8~9月までの約2ヶ月間しか食べられず、しかも足が早い(=獲ったその日でないと食べられないほど傷みやすい)ので、漁師町や市内の一部飲食店でしか食べられない「メジカの新子」を堪能するべく、今回は「鰹一本釣り」の町としても有名な中土佐町にある「久礼大正町市場」に行ってきました☆
高知市から西へ約50分ほどの距離に位置する「久礼大正町市場」は、朝獲れ、昼獲れの鮮魚はもちろん、じゃこ天や鰹のタタキ、野菜など、高知名物が揃う中土佐町の観光スポット。
あちこちから聞こえる活気ある声と共に、潮や磯の香りが漂い、静かにしていた胃袋が食欲を訴えるように少しずつ鳴き出しました。
さて、お目当ての「メジカの新子」をいただく舞台は、食事処を兼ね備えた「田中鮮魚店」です。
大正町市場アーケードを真っ直ぐ進み、一番奥にお店を構える「田中鮮魚店」は、「カツオの専門店」だけあって、土佐沖や全国から入ってくるカツオが「美味い!」と魚にうるさい高知県民をも唸らせる老舗店。
それでは、早速「メジカの新子」をオーダー! 向かいにある食堂でいただきます。ちなみに、その日の漁獲量によって金額は異なりますが、この日は1人前600円でした。
やってきたのが、こちら! 血合いと皮を剥いだ身に「仏手柑(ぶしゅかん)」の果皮を削ってまぶし、下には高知の夏の風物詩の1つ「リュウキュウ」がたっぷり敷き詰められています。
店主の田中さんの「仏手柑を絞ってどうぞ!」という言葉を聞いて、全体にたっぷり仏手柑を絞って、いただきます!
軽く歯を跳ね返すモチモチ食感で噛めば噛むほど、独特の甘みが感じられ、そこにちょっと渋みのある仏手柑が加わり、えも言われぬ口福感が口いっぱいに広がります!
「同じカツオの新子と言えども、本ガツオの新子では噛んだ時にこんなに旨味は出ない、ソウダガツオ(メジカ)の新子ならではの美味しさです」と鰹のプロ・田中さん。
田中さんに今年の漁獲量について伺うと、「今年は7月頃にポツポツ見えはじめ、8月15.16日辺り安定して新子が獲れるようになりました。おそらくこのまま9月終わり頃までは提供できると思います」と教えてくれた。
続いて田中さんが教えてくれたのはメジカの新子の歴史。
昔から漁師さんや町民の間では親しまれていたものの、このように町外の人に提供されるようになったのは、ここ10年程前の事なんだとか。
氷をしっかり敷いて刺身用として提供したところ、これがヒット!
わざわざ食べに来る価値があると話題になり、今では当日提供する数量が獲れると鮮度が落ちないように早めに漁を切り上げることもあるのだそう。
久礼大正町市場内では「田中鮮魚店」のほか、4.5種類のネタがのった海鮮丼などが人気の「山本鮮魚店」、露店・漁師の女将さんでも購入可能。
どの店舗も日によって、入荷が異なるため「メジカの新子」が食べられるのは、ある意味、運次第! 今が旬の「メジカの新子」をお食べ逃しなく!
【田中鮮魚店 漁師小屋】
住/高岡郡中土佐町久礼6382 久礼大正町市場内 ☎︎/0889-52-2729
営/10:00〜OS14:00 休/水曜
【山本鮮魚店】
住/高岡郡中土佐町久礼6369 久礼大正市場内 ☎︎/0889-52-3373
営/11:00〜16:00 ※土曜、日曜は10:00〜 休/月曜、木曜