暮らし|災害から赤ちゃんを守る日頃の備え

キッズニュース高知市

乳児がいる家庭では、大人とはまた別の備えが必要になります。でも、災害時のために用意した荷物が重た過ぎると、逃げる際の妨げになってしまう恐れも。

そこで今回は、子育て支援サークルままぱぁくの代表で、防災士の資格を持つ松原さんに、日頃からできる防災の備えや役立つアイデアについてお話を伺いました。

逃げる際の工夫

●まだ首が座っていない赤ちゃんの場合


画像提供「だっことおんぶの研究所」

混乱した状況の中で首のすわらない赤ちゃんを連れて逃げるのは容易ではありません。地震が発生した際は、瓦礫が邪魔をしてベビーカーで逃げるのは難しいですし、津波等から逃げる場合は渋滞すると身動きがとれない車は使わないほうがいいと言われています。

首がすわらない赤ちゃんは、バスタオルにくるんでトートバッグに入れるのがおすすめです。赤ちゃんに対してバッグが大き過ぎる場合は、下にバスタオルやおむつをどんどん入れてかさ上げしてあげてください。

●首が座っている赤ちゃんの場合



抱っこかおんぶ、できればおんぶがおすすめですが、抱っこの場合は両手が空くように抱っこ紐を使用しましょう。両手が空いていると、より安全に逃げることができます。

ここで注意していただきたいポイントが、抱っこ紐を使用した際の自身の体と赤ちゃんとの密着度です。密着していないとその分揺れてしまうので、ママやパパの体力が消耗されてしまいます。抱っこ紐をすり抜ける転落事故を防止するためにも、自分の体にぴったりと密着するものを日頃から使ってくださいね

災害時に役立つグッズとアイデア

最低限用意した方がいい防災グッズ

まずは、最低限用意しておくことをおすすめする防災グッズをご紹介しますね。普段お子さんの荷物を入れているバッグに入れておきましょう。

左側から、ヘッドライト、サバイバルシート、マルチナイフ、簡易トイレ、緊急用ホイッスル、晒(さらし)です。

懐中電灯やスマホなどのライトは片手がふさがってしまうため、ヘッドライトがおすすめです。また、一般的に売られている笛は玉が入っているものが比較的多いのですが、玉が入っていると濡れてしまった時に音が出なくなってしまう恐れがあるため、玉の入っていない緊急用ホイッスルを探してみてください。

災害時にも大活躍の晒(さらし)

最近では見かける機会が少なくなりましたが、晒(さらし)は今も変わらず、便利なアイテムです。紐、三角巾、おんぶや抱っこ紐、おむつや生理の吸収体、ガーゼがわりなど、いろいろな用途に応用ができます。ぜひ普段からバッグに入れてみてください。晒を使った抱っこやおんぶのやり方を覚えておくこともおすすめします。

紙おむつは分解して使用

赤ちゃんの肌は弱く、長時間おむつを替えないでいると、肌荒れやかぶれが起こってしまうこともあります。足らなくて困ることが想像されるので、ちょっとした工夫をご紹介します。

●おむつの枚数が足りない場合

まずは、おむつの外側と内側を分解してみてください。

おむつの外側には防水性能があるので、おむつの中にタオルや晒、内側の給水部分を切ったものを当てると、簡易のおむつができます。やわらかい素材のヘアバンドでおなかの部分を固定すると、ずれ防止に。

●おむつがない場合

おむつがない場合は、レジ袋を使って簡易おむつを作ることができます。まず、レジ袋の持ち手と両端を切り、長い1枚のビニールにします。内側にタオルや晒、布を切ったものを当て、腰の辺りでビニール袋の持ち手を結べば完成です。

日頃の育児が防災に繋がる

毎日の育児やちょっとした工夫が防災に繋がっていくので、それぞれの生活スタイルに合わせて、日頃から防災についても意識してみてください。

その他にも、授乳していることを周囲に気づかれない服や下着、おむつがなくても困らないおむつなし育児など、日頃から役立つ情報はあります。どんなやり方がいいかを迷ったときは、目の前の赤ちゃんの笑顔が正解を教えてくれます。自分と赤ちゃんの居心地がいいかどうかや、自分の直感・感覚を大切に、それぞれの親子にとってのベストを探してみてください。