皆さんは川で釣りをしたことがあるだろうか? ここ津野町の北川川では利き鮎グランプリで受賞するほど質の良い鮎が釣れることで有名で、川釣り人にとって憧れの場所だ!
今回、川釣りに連れてきてくれたのはこの3名の方々。(左・豊田庄二さん、中・竹﨑茂男さん、右・大谷滋稔さん)四万十川流域の保全に関して様々な分野で活動をする四万十川リバーマスター会に所属している豊田さんと竹﨑さん、そして川釣りをこよなく愛する大谷さん。
鮎は生息する川の水質、そして水質の良い場所で食べる苔によって味や香りが変わる。豊田さんによると「津野町を流れる北川川は、水質がキレイ、そして水量が多い鮎が育ちやすい環境ですね」とのこと。鮎を釣る竿は8~9mで、この地域は足場が良く、川から道路までの距離が近いので釣りがしやすい。今回教えてくれたのは「友づり」と呼ばれる、鮎の習性を利用した漁法。鮎はナワバリ意識が高く、自分のテリトリーに入ると攻撃をしてくる! その習性を利用して、おとりの鮎を泳がせて、近づいてきた鮎を掛け針に引っ掛けるという心理戦が楽しい玄人向けの釣り方だ。
「友づりだけでなく、えさ釣りやしゃくりなど様々な漁法を楽しめる」と説明してくれたあと、掛け針にかかった鮎を簡単に釣り上げてしまった竹﨑さん! 釣り上げた鮎を左手に構える網にスパッと入れる姿は職人のよう!
鮎を釣り上げた姿に見惚れていると、奥から「獲れたぞー!」と豊田さんの声が聞こえると、手にしていたのはアメゴ! パーマークと呼ばれるアメゴ特有の斑点がとても美しい。こちらは放流されたアメゴらしいが、この四万十川原流域では「津野山アメゴ」と呼ばれる在来種も生息しているという。放流アメゴより、魚体が大きく斑点が少ない地域固有のアメゴらしく、発見できた人はとてもラッキー!
竹﨑さんと大谷さんに川釣りのコツを聞いてみると「この地域の川は透明度が高いので、鮎を目で確認できる。鮎は石に生えている苔をはんで、体をねじりながら食べており、苔が食べられ黒色になっている石があると、鮎はそこをナワバリにしているから狙ったらいい」とのこと。加えて、豊田さんは「瀬や岩盤に深みがあって、変化がある所に鮎は生息しやすい。昔、友釣りで獲った鮎を都心部に送ったところ、サイズも香りも評判が良かった」と話す。
こちらの帽子についているのは「遊魚券」。この地域で川釣りを1年を通して、楽しみたい方へ購入してもらっている券。町内の方は黄色で、町外の方は青色。なお、1日券もあるので初心者の方でも挑戦しやすい!
遊魚券は町内の取扱店舗及び高知市内の一部釣具店で購入できる。今回取材に協力してくれた竹﨑さんが営まれている「のうか民宿竹城」でも購入できるほか、友釣りで鮎を誘き寄せるおとり鮎(500円)も販売している。また、遊魚券や遊魚区域など、詳しくは津野町産業課にお問い合わせを。
みなさんに川釣りを楽しんでもらいたいと同時に、気をつけて欲しい点があると豊田さんは話す。「この地域は川の上流域になるので、ゴミを捨てないように気をつけてほしい。マナーを守ることで、これからの川作りにも繋がる。四万十川だけでなし、ダムにも影響が出るし、ここから流れるものは全て海に繋がるため、上流域の人たちで守らないといけない。いままで守ってくれた人たちがいるから川釣りが今も楽しめている」この地域で美しい鮎がこれからも生息していくためには訪れる方々の協力が欠かせない!
問い合わせ先/0889-55-2021(津野町産業課)
※魚種により遊魚期間及び漁法が制限されているため、詳しくは津野町産業課までお問い合わせを。