株式会社グラディア 代表取締役社長「森本 麻紀」さん

高知を代表するご当地バーガー「龍馬バーガー」を生み出し、念願の海外進出も果たした 人気カフェ「5019 PREMIUM FACTORY」。 人を惹きつける不思議な魅力とずば抜けた行動力で、舞い込んできたチャンスを確実にモノにし 高知のカフェ業界において不動の地位を築きあげた森本さんに、これまでの軌跡を伺った。

 

 高知が誇るご当地バーガー「龍馬バーガー」発祥の店「5019 PREMIUM FACTORY」のオーナーである森本麻紀さんは、笑顔が眩しい素敵な女性だ。  

 森本さんは19歳で結婚し、ご主人とともに自動車販売会社を立ち上げた。徐々に従業員が増えていき、大津への移転を機に敷地内へカフェをオープン。「若い女性でも気軽に来店できる自動車販売店にしたい」という想いからだった。このカフェが、高知カフェランキングで1位を獲得するなど人気を博す。高知特産のトマトやナス、カツオのオイル漬けなどを使い、今や全国ネットを含め多くのメディアで紹介される看板メニュー「龍馬バーガー」は、ここで生まれた。

 自動車販売店の経理業務、損害保険代理店業務、カフェ業務、家事育児と多忙な毎日を送るさなか、帯屋町へのカフェ出店話が舞い込む。最初は断ろうと思った。「今の状態で出店するのは不可能だ」そう思った。そんな森本さんの背中を押したのが、ご主人だった。「自分も最大限サポートするから頑張れ!」その言葉に後押しされ、出店を決意。2009年2月、出店と同時に「株式会社グラディア」を設立し社長に就任した。

 帯屋町でカフェ経営をしていくなかで、元々ハワイが好きだった森本さんは「ハワイに出店したい」という夢を日頃から語っていた。そんな折、ハワイ最大のショッピングモールである「アラモアナセンター」へ1ヶ月の期間限定で出店するチャンスを掴む。挑戦しない理由は無かった。だが出店は容易ではなかった。「食材をどうするか」という問題があった。現地で数々のスーパーを回ったが、野菜も肉の質も日本の食材とはまるで違う。肉の赤身と脂身の割合やソース作りなど、スタッフとともに試行錯誤を重ねてようやく納得のいくハンバーガーが完成した。本場アメリカのハンバーガーは、ケチャップとマスタードを自分で好きなだけかけるスタイルが主流。しかし日本流のハンバーガーは、特製ソースが最初から入っている。驚く人もいた。しかし「5019」のハンバーガーは現地の人々を魅了し、徐々にリピーターが増えて売り上げも伸び、ハワイ出店は成功を収めた。当時のことを「たくさん苦労したけど、とても勉強になった」と森本さんは振り返る。

 ハワイでの成功は森本さんにとって大きな自信となり「本格的に海外出店したい」という想いが強くなる。そして偶然訪れた香港でビジネスパートナーと出会い、香港出店に向けて動き出す。ハワイと同じく食材の壁に当たり、バンズは1年かけて探した。甘みの少ないトマトはソテーして甘みを引き出すなど工夫を凝らし、高知本店の味を再現した。こうして2017年4月、正式な海外1号店である香港店がオープンした。もちろん、ハワイへの本格出店も諦めてはいない。

 世界を見据えながらも「一番は地元のための飲食店でありたい。そして働くスタッフが自身の成長を感じて幸せに過ごせる会社でありたい。だからこれからもみんなと一緒に頑張っていく」と語る森本さんの目には、果てしないビジョンが広がっているようだ。

 

 

「BAR GRADIA」 1人でもフラっと気軽に立ち寄れる姉妹店のバー。高知市帯屋町1-10-20 TEL088-875-5019
「5019」高知本店 これからの季節にピッタリのテラス席もあり。高知市帯屋町1-10-21 TEL088-872-5019
名物「龍馬バーガー」 そびえ立つ大きなハンバーガーには、高知特産野菜やカツオフレークがギッシリと詰まっていてボリューム満点◎
「5019」香港店 有名なフォトスポットのすぐそばにあり、香港の人だけでなく世界中から訪れた観光客にも愛されている。
2013年、ハワイ出店「アラモアナセンター」内のフードコートにて出店。日本流ハンバーガーでハワイに「5019」の名を轟かせた。

 

株式会社グラディア
●設立/2009年2月 ●従業員数/27名(男性7名、女性20名)
現在カフェ2店舗(高知・香港)、バー1店舗(高知)を経営。
カフェではランチ、ディナーともにハンバーガーやロコモコなどの料理や
スイーツ、スムージーやコーヒーなど豊富なメニューを販売。
バーではアルコール類のラインナップが揃っている。
カジュアルなカフェ、大人な雰囲気のバーともに高知県民から愛されている。