「尾戸焼」とは、淡い地肌に藍の絵柄で、高知を代表する陶芸品の一つ。
江戸時代から続く歴史ある尾戸焼は、温かみのある器の数々はぜひとも生活に取り入れてみたいところ♪
今回は、明治創業以来、ライフスタイルの変化に合わせた暮らしの器を作っている「谷製陶所」を紹介。
谷製陶所について
創業は明治初頭と伝わっている谷製陶所。高知市能茶山に、原料の豊富な粘土が採れたため、現在の場所で開窯。
工房での体験教室をはじめ、近隣の学校や幼稚園へ出張体験教室へ出向くなど、地域との交流も続けている。
ギャラリーにて販売も手がけており、県外観光客の方も訪ねてくるのだとか。
絵付けした酒器をはじめ、マグカップや花器など暮らしに温かみを足してくれる風合いの器が揃う。
5代目 谷 信一郎さん(たに しんいちろうさん)
幼い頃から粘土いじりが大好きで、「怪獣などを作って遊んでいたね」と笑う信一郎さん。
谷製陶所の工房は遊び場であり、子供の頃から自然と親しんできた場所。中学生になる頃には、先代である父の仕事を手伝い始め、卒業後に本格的に弟子入り。
父から学んだ最も印象的なことは、「人とのつながりの大切さ」。器を通じて人とつながり、それが信用となってまた仕事につながっていく。伝統の形や柄に固執することなく、柔軟にカラフルな食器や調理グッズなども手がけ、人とつながる作品づくりを大事にしている。
手がけている製品とこだわり
『尾戸焼きはライフスタイルの変化に合わせて、その形や色合いを変えてきました。「水は方円の器に従う」ということわざもありますが、水が器に合わせて形を変えるように、柔軟に使われる方のニーズに寄り添っていきたいです』と話す谷さん。
自身の手がける製品に生かすため、水墨画を習っている信一郎さん。先代の父とともに絵付けまで仕上げている。
信一郎さん自身の柔和で誠実な人柄が、焼き物から感じられる落ち着いた佇まいのマグカップ。色味もカラフルで、日常を華やかにしてくれる♪
家庭用の食器も多く手がけており、「ゴマ炒り」や「すりおろし」に使う調理グッズ。柔らかい雰囲気で、使った時の重さや肌感も良いと人気だ。
購入先
- 谷製陶所
住所:高知市鴨部1366
まとめ
時には他の工房が断ったような難しいオーダーに応えており、「何か一つでもいい。例えばコーヒーカップに関しては谷製陶所、という風に気に入って、使い続けてもらえる存在になれば嬉しい」と最後に話してくれた信一郎さん。
ぜひ一度、時代に合わせて高知の暮らしで育まれてきた陶芸の魅力に触れてみて!
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