<WEB限定>高知が舞台のモデルとなった映画『竜とそばかすの姫』監督・細田守さんスペシャルインタビュー!

ニュース仁淀川町高知市

現在、全国東宝系にて大ヒット公開中の映画『竜とそばかすの姫』。ご存知の方もすでに多いと思いますが、我らが高知県が舞台のモデル!

今回はなんと、その映画の原作・脚本・監督を務めた細田守さんが、ほっとこうちに初登場してくれました! 細田監督の、作品や高知に対する思いを語った貴重なインタビューの模様を「ほっとこうちWEB」限定でお届け。

 

撮影/神藤 剛

Profile:細田守(ほそだまもる)

1967年生まれ。1991年に東映動画(現・東映アニメーション)へ入社し、アニメーターを経て演出(監督)になる。1999年に『劇場版デジモンアドベンチャー』で映画監督としてデビューを果たす。その後、フリーとなり、『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09) を監督し、国内外で注目を集める。11年、自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立し、『おおかみこどもの雨と雪』(12) 、『バケモノの子』(15)でともに監督・脚本・原作を手がけた。最新作『未来のミライ』(監督・脚本・原作)は第71回カンヌ国際映画祭・監督週間に選出され、第91回米国アカデミー賞の長編アニメーション映画賞や第76回ゴールデングローブ賞のアニメーション映画賞にノミネートされ、第46回アニー賞では最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞を受賞。最新作『竜とそばかすの姫』(2021)では、第74回カンヌ国際映画祭「カンヌ・プルミエール」部門で公式上映された。

 

 

 

©️2021 スタジオ地図

 

ーまず『竜とそばかすの姫』が完成した時の思いを聞かせてください。

細田さん:今回の作品はコロナウイルスの影響もあり、かなり制作が大変でした。ロケハンを終えて、さあこれから! という時に流行し始めたので。でも今はやっぱり、無事に完成してよかったという思いでいっぱいです。

 

 

ー苦戦したとのことでしたが、制作期間はどれくらいかけられたのでしょうか?

細田さん:通常は3年かけて制作をしています。今回も今までの映画(『時をかける少女』や『おおかみこどもの雨と雪』など)とスタートは同じでしたが、やはり緊急事態宣言が出たりしたのでアフレコや、ダビングに通常の倍の時間かかってしまい、1ヶ月ほど延びてしまいました。公開ギリギリまで制作をしていましたよ。

 

 

ー本作では高知県が舞台となり「川を舞台にしたかったので、美しい仁淀川や鏡川のある高知を選んだ」と公開前のメイキング動画でもお話されていましたが、監督の中でいつから高知に対する思いがあったのでしょうか?

細田さん:映画を作るにあたって、全国各地を回って自分の目で確かめました。高知にも2019年の夏に初めて来て、いろんな所を巡っていた時に「何かいいかも」と感じたんです。舞台の候補はいくつかに絞っていたのですが、最終的に高知をもっと見てみたいと思い、その年の8月末にもう一度訪れました。自然の美しさに再度感銘を受け、決意しましたね。

 

©️2021 スタジオ地図

 

ー高知の美しい風景が劇中で鮮明に描かれていました。コロナの影響もあり、その後ロケハンはリモートでも行っていたと伺いましたが本当ですか? 

細田さん:はい。2020年の夏のことです。本来はメインスタッフみんなで高知に伺うべきなのですが、コロナのせいで叶いませんでした。そこで、私たちの代わりに高知フィルムコミッションの方々にバーチャルロケハンをお願いしました。鏡川の陽の変化にこだわり、何日も現地に行っていただいて、雲の形や光の挿し方を繰り返し撮影していただきました。粘り強く付き合ってくださって本当に感謝しています。

©️2021 スタジオ地図

 

 

ー監督の高知のお気に入りスポットがあれば教えてください。

細田さん:やっぱり、仁淀川と鏡川です。もともと仁淀川がきれいだということは知っていましたが、実際に行って見てみると想像以上にきれいで、不思議なパワーがありました。また、鏡川にはドラマを感じますね。町の中を流れる川は全国各地にあるけれど、鏡川は特に町との一体感もあって、とても絵になると思いました。

©️2021 スタジオ地図

 

 

 

ー映画はネット社会を通して主人公が変わっていく姿が描かれており、私たちが生きている現実世界でもネットを通じて実際に人生が変わっている人もいますよね。変わりたいと思う人たちの背中を押すような内容の印象を受けましたが、監督は映画を通してみなさんに何を感じて欲しいですか?

細田さん:ネット社会に対していろんな意見があると思いますが、僕は肯定派です。今までも、ネットを駆使した内容の作品を作ってきましたが「便利さの中には危険性がある」という否定的な意見もいただきます。ですが、若い方々が変われるきっかけって意識の差もあると思うけど、一番身近な物はネットだと僕は思いますし、その先に新しい道が開けると思います。変わりたいと思う人たちの背中を押し、寄り添えるような映画となれば嬉しいです。

 

©️2021 スタジオ地図

 

 

ー最後に高知のファンの方にメッセージをお願いします。

細田さん:高知を舞台にする上で、インスピレーションをたくさんいただきました。高知で暮らす人、食べ物、ロケ地となった仁淀川から鏡川まで、全てが揃わなければこの映画は完成していません。僕自身、現地へ実際に訪れて、感じて、高知の風景を愛おしく感じていますし、おかげさまでいい作品ができたと思っています。みなさんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。

 

★『竜とそばかすの姫』公式HPはこちらをクリック

 

 

作品への熱い思いはもちろん、高知の自然や人に対する気持ちも語ってくれた細田監督。貴重なお時間をありがとうございました。

高知県でも、TOHOシネマズ高知にてまだまだ上映中! 「まだ見ていない」という方は、ぜひ劇場へ足を運んで、この感動を体感してみて。

きっとあなたも、胸を打たれるはず。

©️2021 スタジオ地図